紫外線励起レイキ蛍光撮影ガイド
2017/1/8
テキスト ボックス: 左は自然光、右の画像は紫外線例起蛍光撮影した花の画像です。
このように今まで肉眼ではとらえることのできなかった花の幻想的な美しさを見ることができます。
テキスト ボックス: タンポポ
テキスト ボックス: 原理  
特定波長の光線(励起光)を物体に照射するとその光線をうけた物体はより波長の長い光を発し蛍光現象がおきます。この現象はフォトルミネッセンスと呼ばれています。
人間の可視領域より短い波長の紫外線を花に照射しますと、光を受けた花粉や花の一部はより波長の長い可視光(蛍光)を放出します。
この蛍光現象を一般市販されているカメラを使って撮影します。
今まで学術研究分野特殊撮影のため高額な機材や専門知識が無いと無理と思われていましたが試行錯誤を重ねた結果、このたび簡単に撮影できる方法をご紹介できることとなりました。

特徴
花が発する蛍光量はきわめて微細で観察や撮影は暗い場所限定となりますが
今まで見たことの無い幻想的な花の様子を観察したり撮影することが可能です。
蝶や蜂などの昆虫には花がどのように見えているのかを想像するだけでも楽しい幻想的な写真を撮影することができます。

学術研究分野にとどまっていた観察、撮影方法だったため一般でこのような花の蛍光撮影を行っている方は海外を含めてきわめて少ないです。
雑誌、ネット等でも学術用途以外にはみかけません。
ネイチャー、ガーデニング、園芸フォト等で花の栽培、観察や撮影を長らく続けていてる方にはぜひ試して欲しい撮影方法です。
テキスト ボックス: ミヤコワスレ
テキスト ボックス: ネギの花
テキスト ボックス: ヤグルマソウ
ブラックライト
ハナ カバー
紫外線透過・可視光線カットフィルター
クラ場所バショ
このような状態ジョウタイにライティングを
セットして撮影サツエイします。
テキスト ボックス: 機材
テキスト ボックス: 紫外線透過
可視光カットフィルター
テキスト ボックス: 紫外線照射ランプ
ブラックライト
テキスト ボックス: 紫外線(ブラック)ライト
携行タイプ
テキスト ボックス: 撮影に必要な機材
 下記機材を準備します

1.紫外線照射ランプ
 通常ブラックライトと呼ばれるものLED、蛍光管等があります。
 波長は300nm(ナノメートル)から400nm程度のものを用意します。
 電池で作動するものと家庭電源とありますが家庭用電源タイプが照度も大きく露光には便利です。
 電気スタンドは一般のものを流用します。クリップタイプでも可能です。
 電池タイプは取り回しが良く屋外での撮影も可能ですがその分照度が弱く長時間露光が必要です。
 電球タイプのブラックライトは発熱量が大きく赤外線も放出するので不向きです。

2.紫外線透過・可視光線カットフィルター
 HOYA製 340nm(ナノメートル)前後の紫外線を通して可視光線をカットするフィルターです。
 これが無いと蛍光撮影は不可能です。励起光となる紫外線のみ透過し可視光線を遮断して
 蛍光現象を観察、撮影します。
 特殊用途のため赤外フィルターなどに比べて高価でサイズ、種類も限られてきます。
  高価な割にはサイズが50mm×50mmと小さめで不便ではないかと思われますがこのサイズ    で十分撮影が可能です。
 通常の紫外線撮影ですとカメラレンズの前に装着しますが蛍光撮影では
 レンズの前には装着しません。
 このフィルターを紫外線照射ランプ(ブラックライト)の前に取り付けるのがコツです。
 カメラレンズの前に取り付けると
 肝心の可視光線をすべてカットしてしまうので肝心の蛍光現象を撮影できなくなってしまいますのでご注意ください。
テキスト ボックス: 3.カメラ
 数十秒の露光が可能なカメラでしたらデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼、コンパクトカメラのいずれでも可能です。 
 オートモード、JPGで撮影できます。できればマニュアル設定やRAW撮影できる機種ですと色温度、露出補正、微調整等がやりやすいです。



レンズ
 近接に有利なマクロレンズがあると撮影が便利ですが、標準レンズやキットズームでも対応できます。
 最短撮影距離の長いレンズは接写リングやクローズアップレンズを併用するとより花に近距離から撮影することも可能です。

フィルター
 無くても撮影には支障ありません。
余分な紫外線をカットするUVフィルター、スカイライトフィルターを好みに合わせてレンズに装着します。青みが強い場合やヌケが悪いような場合は軽減する効果がありますので状況に応じて試してみましょう。
 
黒布
 紫外線の反射防止のため被写体の下側、背景部分等に配置します。
 紙は蛍光反射しやすいので避けます。

暗室カーテン
 花の開花時間に合わせて日中でも撮影したい場合や夜間でも窓外ライトなど光の影響が懸念される場合はこれで窓を覆います。
 撮影場所が明るすぎると可視光線量が多くなりすぎて蛍光現象が弱くなってしまいます。

その他
 三脚、レリーズ(カメラのリモコン) 紫外線ランプを固定するスタンド
  切花の場合は花を固定する花瓶や台、クリップ、テープなどです。
テキスト ボックス: 環境
 できるだけ暗い部屋を用意します。蛍光現象が観察、撮影できる暗さであれば十分です。
 銀塩フィルム現像のような完全な暗室は必要ありません。
 
 明るすぎると蛍光現象が目立たなくなってしまいます。
 
テキスト ボックス: 被写体
 花粉のある花が最適です。めしべやおしべが複数外からよく見える花は蛍光効果がはっきりしやすいです。
 花の種類によって花粉のほかに花脈、花糸、花柱なとがよく蛍光するものもあります。
 一方蛍光効果が弱くほとんど花粉が蛍光しないものもあります。
 花粉がよく放出されるのは天気の良い午後の時間帯です。
 キク科の花は蛍光現象がわかりやすく撮影しやすいです。
テキスト ボックス: 事前準備

スタンドにブラックライトをセットします。
ブラックライトの前に紫外線透過・可視光線カットフィルターを取り付けます。

紫外線透過・可視光線カットフィルターを取り付けるためのカバーを作成します。
スタンドの笠の形状に合わせてボール紙等で覆いを作り50mm×50mmの窓をくりぬき
ここに紫外線照射+可視光線カットフィルターをテープで張り付けます。
隙間から可視光線が漏れないように黒テープでマスキングします。
このとき放熱用のスキ間を後ろ側に必ず開けてください。蛍光灯でも長時間使用時は加熱するので危険です。
電球タイプのブラックライトは発熱量が大きいので使用しないでください。

懐中電灯タイプのブラックライトを使用する場合は前面LED部分に紫外線照射+可視光線カットフィルターをテープで止め周囲を黒テープでマスキングします。
隙間から光が漏れないようによくとめます。
ボールガミのカバー
菓子カシハコトウ流用リュウヨウします。
ウシガワには
放熱用ホウネツヨウアナカナラけてください。
紫外線透過トウカ・可視光線カットフィルター
クロテープでけます。
テキスト ボックス: 紫外線透過・可視光線カットフィルターを装着すると可視光線がほとんどカットされてしまいますので肉眼では光が見えません。
点灯、消灯が非常にわかりにくくなります。
スイッチの入れ忘れ、消し忘れにご注意ください。
テキスト ボックス: セッティング
1.窓を暗室カーテン等で覆い部屋を暗くできる環境にします。
2.テーブルに黒布等を引いて余分な反射や写り込みを防止します。
3.スタンド(ブラックライトに紫外線透過・可視光線カットフィルター装着済み)をセットします。
4.カメラを三脚にセットします。レンズは近接の容易なマクロレンズが使いやすいです。
 周辺解像度はあまり必要ではありませんのでキットレンズや普及タイプのレンズでも十分です。




5.被写体(花)を黒バックの上において向きや位置を決めます。
 カメラのファインダーまたはライブビューで構図、ピントを決めます。
 ここで室内の電灯を消してスタンド(ブラックライト)を点灯し花を照らして見ます。
 ごくわずかですが花がぼんやりと光っているのが観察できると思います。
 このとき肉眼でわずかでも蛍光現象が観察できないと撮影はかなり困難ですので
 うまく見えない場合はスタンドをもっと近づけるか照射位置、被写体の向きを
 変えてみます。
 懐中電灯タイプを使う場合は光量が少ないのでかなり近距離(数センチ)から照射します。
 部屋が明るいと蛍光現象はよく見えませんので必ず暗くしてチェックします。
 それでもうまくいかない場合は花の種類を変えてみましょう。

6.露出は光源の位置ライトのワット(ルーメン)数によって大きく異なりますが
 当方でテストしたところ
 花までの距離約20センチから照射 花はミヤコワスレ
 家庭用電源ブラックライト20W使用時で感度ISO400相当 絞りF4.0で15秒〜30秒程度です。(機種はEOS60D)
 機種によっては絞り優先オートで撮影も可能です。露出補正とマニュアルのどちらか使いやすいほうで撮影します。

 懐中電灯タイプブラックライトの場合は光量が少ないのでさらに長時間の露光が必要です。
 ISO感度をあげライトもごく近い距離から照射しますと効果があります。
ハナ
スタンド
カメラ
クロヌノ
ウツ反射ハンシャ防止ボウシ
三脚サンキャク
テキスト ボックス: 以上で撮影の準備は完了です
電気を消して部屋を暗くします。


撮影
 部屋が暗くなっていることを確認してシャッターを切ってみましょう。
 露光中は風や振動揺れに注意します。
 露光が終わったら部屋の電気をつけてモニターで画像をチェックします。
 
テキスト ボックス: 発光部分があまり目だたない花や色の変化が見られない種類のものもあります。
テキスト ボックス: 撮影画像は
そのあとで画像加工ソフト等で色温度、彩度、コントラスト調整、ノイズ除去などを行うとより鮮明な画像に仕上げることができます。
テキスト ボックス: 花粉の蛍光する様子
テキスト ボックス: ノースポール
テキスト ボックス: クレマチス
テキスト ボックス: ご不明な点 ご質問ありましたらこちらのアドレスにお問い合わせください。
フォトショップサイトウ
photoshopsaito@yahoo.co.jp
テキスト ボックス: ここで紹介した紫外線励起蛍光撮影方法はフォトショップサイトウが花の撮影用に独自にアレンジしたもので
化学実験等にて行われている正規のものとは異なります。
記載内容に誤りがありましたら恐れ入りますがご連絡ください。
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